1.ひとりの死傷者も出さない
ひりりの死傷者も出さないという目標は、言ってみればあたりまえのことですが、防災の本質を言い当てているかと思います。多摩市の地域防災計画の被害想定では多摩直下型地震で50人の死者がでると予想している。多摩市の人口14万7千人に比例案分してみると、当団地の死者は0.6人となります。同様に負傷者は6.2人です。これをゼロにするのは、あながち無謀な目標ではないことがわかります。
2.たまたまそこにいた人たちで対処する
東日本大震災の前の防災は、この点がまったく考慮されていませんでした。つまり、災害がおこったら、理事長が本部長となり、だれだれが調達部長になり、のように枠割を事前に決めていて、それをだれも不思議には思っていませんでした。でも3.11が起こって、誰がその場にいるか、事前にはわからないという単純なことに気が付いたのです。
3.可能な限り自宅で暮らす
これも過去の大震災の被災生活を研究する中で、自然に出てきた考え方で、特に1995年阪神淡路大震災や2011年東日本大震災、そして2016年の熊本地震などで、避難所の様子の詳細が報道され、災害の後に亡くなる災害関連死がなぜ?と思うほど大きな数字になっていることなど目の当たりにし、自宅に留まるのが最も賢明であるという結論に達しました。もちろんこれは建物が崩壊しないということが大前提となりますが。
4.上記の目標を達成するため防災の基礎をご近所(ブロック・階段)に置く
災害が発生すると、想定としては、電気、ガス、水道、通信、交通などのすべてのライフラインがストップし、同時に市役所、消防署、警察署その他の行政機能が数日間ストップすると予想しています。一時的にある種の無政府状態になるといってもいいかもしれません。このような状況下ではいわゆるトップダウンのアプローチは成立しません。その時いるご近所の人たちが協力して、だれの指示も頼ることなく、自発的、自律的に事態に対処しなければなりません。